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エンドミル / 選定 / 切削条件 / 不具合 / その他 左 エンドミルQ&Aメニューに戻ります。

CB1 カタログのエンドミル基準切削条件はどのように設定されているのか?
基準切削条件では以下を想定しております。
1.エンドミルは最小限の突き出し長さ(刃長のぎりぎりまでチャッキング)で十分に把握能力のあるチャックで保持されている
2.被削材は基準切削条件で加工しても切削抵抗による振動が発生しないようなクランプがなされている
3.加工される被削材の切削条件に適する能力・剛性を保持した工作機械が使用されている
4.刃先から排出される切りくずがエアーブローやクーラントによって適切に除去されている
5.最初の切り込み時、コーナ、隅部の加工の際に、実際の刃当たり送り量が過大、過小にならないようなパス設定が行われている

CB2 切削条件を調整するにあたって考慮すべきことは?
カタログ基準切削条件の設定を参考にされて、実際の加工状況に応じて調整ください。状況によっては基準切削条件よりも下げてください。その場合には、切り込み量を小さくする方法と切削速度と送り速度を下げる方法があります。切削速度と送り速度を下げる場合には、同じ比率で下げることを基本としてください。

CB3 基準切削条件よりも深い切り込み(Z方向)で加工したい。切削条件をどのように調整したらよいのか?
1刃・回転当たりの除去体積が同じになることを目安にします。たとえば、切り込み深さを2倍にした場合には、刃当たり送り量を1/2にします(切削速度はそのままで、送り速度を1/2にする)。ただし、刃当たり送り量が極端に小さくなると工具寿命は短くなります。切削速度の調整と、加工面、振動などを確認しながら刃当たり送り量を下げすぎないように調整が必要です。

CB4 刃長や突き出し長さをできるだけ短くするようにいわれるが、どれくらいの差異があるのか?
曲げ抵抗は、長さ比の3乗(長さが2倍で8倍の抵抗)、径比の4乗で効いてきます。剛性が1/8になると寿命は1/8以下になるといわれています。刃長、突き出し長さは1mmでも短く選定・調整することが大切です。 一般的に突き出し長さの長いエンドミルを使用する場合にはびびり対策として送り量をさげて加工します。突き出し長さに対するエンドミルのたわみ量はどれくらい影響するのか算出してみました。突き出し長さを2倍にすると、たわみ量(加工面精度)を一定に保つ場合の送り量は、概算で1/27倍になります。つまり、突き出し長さが2倍程度で加工能率は1/27に低下することになるわけです。 ワークの干渉を最小に抑えることができる5軸加工機が注目されています。5軸加工機であればエンドミルの突き出し長さを極力抑え加工能率を向上させることも可能になります。チッピングが問題となる耐熱合金のような難削材加工にも極ショート刃長のエンドミルを使うことが可能になるわけです。

CB5 SG-FAXエンドミルの再研削品の寿命と切削条件は?
外周逃げ面を再研削すると無処理品と同等の性能になります。切削条件も20~30%下げてください。

CB6 DLCボールエンドミルの基準切削条件表では、切り込み量が0.1Dになっている。ボール部(0.5D)を1パスで加工できないか?
切り込みを深く入れると切削抵抗の増大と、切りくず排出がわるくなるため、送り速度を下げなければならなくなります。送り速度のみ下げすぎますと、切削熱の蓄積による溶着、擦りによる摩耗の増大、ビビリ振動の誘発なども想定されます。切り込みを深くして送り速度を下げるよりも、切り込みを浅くして送り速度を上げて加工した方が、加工・精度の安定性からみて優位になります。バランスのよい切り込み、切削条件の設定が必要です。

CB7 ラフィングエンドミルでSUS304をZ送りで折損した。Z送りはドリルと同じ条件で行った
エンドミル底刃のポケット容量が小さいことから、一般的にはZ送りはドリルの1/2~1/3程度で行うことが必要です。ラフィングエンドミルであっても、Z送りは高くできません。

CB8 穴径がφ30のときのコンタリング加工でワークが動いてしまう
穴加工をコンタリングで行う場合、工具送り速度(工具軸の速度)と実行送り速度(加工点の速度)に著しい差を生じることがあります。実行送り速度が早くなり、切削抵抗も過大になることがありますので送り速度の設定に注意が必要です。

CB9 超硬エンドミルはクーラントを使わない方がよいのか?
GSXコート、GSハードコートなど耐熱性の高いコーティングを施したエンドミルでは、高硬度材の高速ミーリングが可能です。高速ミーリングの場合には、刃先加工点がきわめて高い温度になります。高速回転で断続切削している加工点へクーラントを供給すると工具が熱衝撃を受けてサーマルクラックによる工具損傷を起こすやすくなります。高速ミーリングにはエアーブロー又はミストをおすすめします。溝などの連続加工や中低速加工、被削材では高硬度材を除く鋼や、アルミ、ステンレス、耐熱合金等にはクーラントを供給する方が良好です。

CBA ラフィングエンドミル、アルミA5052の溝加工で溶着して加工ができなくなった。外径6mm 、オイルミスト、回転数4500min-1、送り速度600mm/min、切込み深さ2.4mm、加工機械はロボドリル
水溶性クーラントに切り替えをおすすめします。また、切削条件を下げてみてください。 DLCミルアルミ用をおすすめします。高潤滑膜のDLCコーティングを施し、アルミの耐凝着性に優れています。

CBB ラフイングエンドミルφ18(再研品)でSKD61を加工中にエンドミルが抜けてきた。つかみ代は30mm、切削条件、切り込みをどうすればよいか?
エンドミルは、曲げ抵抗を受けて加工しています。この曲げ抵抗はシャンクをコレットから押し出す力を発生させています。つかみ代が少ないと把握力が十分ではなくなることがあります。また、繰り返し曲げ抵抗はコレットをラッパ状に塑性変形(摩耗)させやすくなります。摩耗したコレットは実際のつかみ代をさらに短くしています。 エンドミルの抜け対策には、つかみ代を大きくするか、新しいコレットに交換する必要があります。また、切り込み量や送り量を下げて、曲げ抵抗を軽減させてください。

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| よくあるお問い合わせQ&A | 2009年01月09日 09:12 AM |